なた豆茶とは

なた豆茶は、その名の通り”なた豆”を主原料としたお茶のことです。

なた豆そのものは古くから存在しており、福神漬けなどにも以前から使用されていましたが、一般的に「なた豆」というものが浸透し始めたのは、健康食品としての「なた豆茶」が注目されるようになってからでしょう。

なた豆とは

なた豆は、マメ科の一年草であり、漢字では鉈豆と書きます。また、刀豆(とうず・たちまめ・なた豆)や帯刀(たてはき)と呼ばれることもあるようです。昔からナタマメは漢方薬として使用されていましたが、最近は健康食品・健康茶にも使用されており、一般に広く知れ渡るようになりました。確かに最近、なた豆を主原料としたなた豆茶も人気となっていますよね。ただ、なた豆そのものを知らない方は多いかと思います。なた豆は、夏に白色、またはピンク色の花を咲かせ、秋口に実ができます。実の鞘は30cm~50cm、鞘の中の種子も3cm~5cm・・・とかなり大きく成長します。形はさやえんどうに似ていますが、大きさが全く違うんですよね。大きな豆として知られている空豆がおよそ3cmほどの大きさですから、それよりも一回りほど大きいのです。

このなた豆の原産は、熱帯アジア・熱帯アフリカと言われており、実際、アジア・アフリカにて栽培され、食用・薬用に使用されています。温暖な気候を好む植物で、中国の長江流域及び南方各省にて栽培され、中国では薬膳の食材として使用されており、明の「本草網目」には、漢方医療の生薬の1つとして紹介されています。日本では、江戸時代の始めに清から伝わったと言われており、1696年の農業全書には、「刀豆」として紹介されています。特に薩摩(現在の鹿児島県)で栽培が盛んであり、大河ドラマ「篤姫」のなかでも、長旅の無事を祈る餞別に送られているシーンがありました。なた豆は、生命力が強く、勢いよく成長するため、昔から縁起の良い豆・商売繁盛のお守り・子孫繁栄の縁起物(絶えることなく花が咲くことから)・・・として親しまれていたようです。

現在では、たなまめは鹿児島県で多く栽培されています。鹿児島市吉田地区という鹿児島県の中部、東に赤崩火山峰、西に花尾山・雄岳などがそびえたち、思川・本名川・稲荷川などの良質な水源にも恵まれたこの場所は、昔から雨の多い地域としても知られています。そして、この地域というのは、シラス台地なんですね。シラス台地というのは、火砕流堆積物が堆積した土壌のことで、水はけが良いという特徴があります。稲作には向いていない土壌なのですが、代わりにサツマイモ・桜島大根などの農作物の栽培には適している土壌です。そして、そのシラス台地の下層には、吉田貝層という今からおよそ20万年ほど前の化石層があり、ここからは100種類以上の貝化石を始め、藻類・サメの歯・カメの甲羅・・・等の化石も多く発見されています。この吉田貝層には多くのカルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛・・・といったミネラルが豊富に含まれており、それがまた農作物に良い影響をもたらしているんですね。そして、それはなた豆も例外ではありません。先ほど、この地域は雨が多い地域・・・と挙げましたが、雨水がシラス台地に浸透し、吉田貝層でミネラル成分を吸収し、そして湧き水となって農作物の栽培に使用されるため、自然の栄養分がたっぷり含まれたなた豆(もちろんそれ以外の農作物も)が作られるのです。

ただし、鹿児島県を始め、なた豆は一応日本国内でも栽培はされているものの、健康食品などに使用されているなた豆の全てが国内産ではありません。ほとんどは、ラテンアメリカ・中国から輸入されているものも多くありますので、国内で栽培されているなた豆の健康食品等を購入したい場合は、原産地をしっかり確認するようにしてください。

健康食品・健康茶の原料としてのイメージが強いなた豆ですが、他にも、福神漬け(あまり気づかないかもしれませんが、市販の福神漬けにはなた豆の鞘が入っています)・民間薬・メッセージ缶にも使用されています。メッセージ缶というのは、レーザーで文字を掘った種が缶の中に土と共に入っており、缶を開けて水を与えて育てていくと、発芽し、そして豆のような実の表面に掘ったメッセージが浮かび上がる・・・というものです。また、食用とする場合は、若い鞘が用いられます。若い鞘というのは、鞘はまだ青くて柔らかい状態であり、大きさが10cm~20cmほどくらいの大きさの頃でしょうか。成長しすぎてしまうとアクが出始めてしまうので、大きくても20cmくらいの大きさのものが良いかと思います。茹でたり、炒めるなど火を十分に通してから食します。鞘の調理は、スナップエンドウやいんげんと同じ感覚で問題ないと思います。塩ゆでして、ドレッシングで食べても良いですし、下ゆでしたものを天ぷらにしても美味しいそうです。更に、血行促進・免疫力の向上・蓄膿症・歯周病・歯槽膿漏・痔ろう・・・等の薬効があると言われている他、他の野菜につく病害虫を防止するために、その野菜の周囲になた豆が植えられることもあるようです。

ちなみに、なた豆を漢方薬の材料として使用する場合は、成熟した豆を使用します。

なた豆に限ったことではなく、豆類全般に言えることなのですが、なた豆には毒があるため注意が必要であり、特に、たかなた豆・たちなた豆には毒が多いそうです。食用として使用されているなた豆は白なた豆という品種なのですが、食用に適さない品種もありますので、なた豆を主原料としたなた豆茶を購入する場合は、どの品種のなた豆が使用されているかを確認することが必要です。なお、先ほど挙げたメッセージ缶ですが、これに使用されているなた豆は食用ではない品種である場合がほとんどですので、成長してもそれを食べるのは避けてください。

なた豆茶の効能

なた豆茶は、花粉症・鼻炎・口臭・・・等の症状に効果があるとして水面下でじわじわとその名が知れ渡るようになっていきましたが、他にも多くの効能を持っています。

先ほど、なた豆が持つ様々な効果を挙げましたが、実際、なた豆茶の効能=なた豆の効能・・・ということになり、もう少し具体的にこれらの効果を挙げると、歯周病・口臭・痔・蓄膿症・腎臓病・メタボリックシンドローム・吹き出物・関節痛・花粉症・・・などがなた豆茶の効能として期待されています。

このなた豆茶を自分で作ることもできるのですが、なた豆の品種によっては毒性の強いものがあるため、十分に注意しなければなりません。

選ぶ品種は、白なた豆。白なた豆は毒性がなく、食用として安全ななた豆の品種です。赤なた豆というものもありますが、これは毒性は弱いものの、完熟したものに毒性があることには変わりありませんので避けた方が賢明です。

一応、なた豆の毒性は、加熱することで消えるそうですが、素人が作るものですし、念には念を入れた方が良いですよね。

また、豆の色が白くても、たちなた豆というものがあります。これは毒性が強いものですので、白なた豆と間違えて購入しないように十分に注意してください。

自分でなた豆茶を作る場合は、なた豆をよく煎ることからスタートします。しっかりと中まで火を通す必要があるため、じっくりとしっかりと煎ってください。煎り終わったら、なた豆をフードプロセッサーなどを使って粉砕するのですが、これは最初に粉砕しておいてから煎っても構いません。とりあえず、十分に中まで火を通して粉砕すれば良いんですよね。煎って粉砕したなた豆は市販のお茶パックなどに入れて、水と一緒にケトル・ヤカンに入れて煎じたり、緑茶を煎れる時のように急須に入れればOKです。濃い目の味が好きな方は煮出しして飲む方が良いかもしれませんね。ただ、なた豆茶が濃くても薄くても、得られる効果はそれほど変わらないそうです。なた豆茶は香ばしい香りが特徴ですが、その香りがなくなっても、そして味がなくなったとしてもなた豆茶の効果を得ることができますので「濃ければ良い」というわけではなく、好きな味・濃さで楽しむことができますよ。

ただ、「自分でなた豆茶を作るのは面倒」「毒性のない白なた豆を使うのはわかったけれど、しかし自分で作るのは不安」という方は、なた豆茶を販売しているメーカーも少なくありませんので、市販のなた豆茶を購入した方が良いかもしれませんね。それほど価格が高いわけでもありません。

なたまめの有効成分について

なたまめには多くの有効成分が配合されていますが、それによる主な効果には、排膿/抗炎症作用・抗腫瘍作用・腎臓機能活性化・・・などが挙げられます。

排膿/抗炎症作用は、なたまめに含まれるカナバニンという有効成分の作用です。カナバニンはアミノ酸なのですが、なたまめから初めて抽出されたアミノ酸なのだそうです。このカナバニンには、優れた排膿作用・抗炎症作用の他、血液/体液の浄化作用・血行促進作用があることが、科学的に解明されています。これらの作用は、歯周病・蓄膿症・痔ろうに効果があると言われています。これら歯周病・蓄膿症・痔ろうなどの病気は、多量の膿が絶えず分泌されることとなり、病気の辛さだけでなく、毎日の生活に不快感をもたらしてしまうことにもなります。例えば、歯周病は、病気が進行してしまうと口臭が強くなりますから、周囲に迷惑をかけることになりますし、周りに余計な気を遣って精神的な負担にも繋がってしまいます。蓄膿症は、鼻の中にある副鼻腔に膿が溜まってしまう病気ですし、痔ろうも、下着に血液・膿が付着してしまうんですね。しかし、なたまめに含まれているカナバニンは、未熟な免疫力を高めたり、衰えてしまっている免疫力を高まらせる作用を持っており、膿の生産にストップをかけてくれる他、排除まで行ってくれます。

抗腫瘍作用は、なたまめに含まれているコンカナバリンAという有効成分の作用です。マウスを使った実験では、コンカナバリンAには、ガン細胞の増殖を抑える抗腫瘍作用があることが判っています。ガン細胞を移植したマウスにコンカナバリンAを投与する実験を行ったところ、時間の経過に伴って、マウスの身体のガン細胞が減少するという結果が得られたんですね。人間の身体の中では、1日に3,000個~6,000個のガン細胞が生み出されていると言われているのですが、マウスを使ったなたまめの実験では、このコンカナバリンAがガン細胞の数を減少させ、ガンの病巣が出来てしまう前に破壊してしまうのです。ガンの病巣が作られる前に壊すということは、病巣を作らせないということであり、故に、かなり高い確率でガン細胞が増えてしまうのを抑制できると言われているのです。

腎機能活性化というのは、なたまめの含まれているウレアーゼという有効成分による作用です。そもそも腎臓というのは、血液に含まれている老廃物をろ過して、不要なものを排出し、必要なものは再び身体に吸収する・・・という働きを担っています。腎臓の機能が衰えてしまえば、このろ過が正常に機能しなくなり、結果として、身体がむくみやすくなったり、関節痛が行ったり、高血圧を引き起こしたり・・・という様々なトラブルに見舞われることになります。更にそのまま放っておけば、慢性腎炎・尿毒症といった病気を併発してしまう可能性もあるんですよね。ウレアーゼは、尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解する酵素なのですが、このウレアーゼが十分に機能していれば、腎機能が正常であると言えます。つまり、なたまめに含まれているウレアーゼを摂取することで、腎機能を活性化することに繋がる・・・ということなんですね。

カナバニン・コンカナバリンA・ウレアーゼの他、なたまめに含まれている成分には、アミラーゼ・亜鉛・鉄分・カルシウム・カリウム・サポニン・ポリフェノール・食物繊維・・・などがあります。

アミラーゼは、消化酵素の1つで、デンプン・グリコーゲンを分解する働きを持っています。体内では膵臓・耳下腺から分泌されていますが、食物から摂取しようとなると、このなたまめの他、大根・カブ・山芋にも多く含まれています。また、市販の胃腸薬・消化剤にもこのアミラーゼは含まれており、胃もたれ・胸やけを改善・予防してくれます。アミラーゼは、デンプン・グリコーゲンを分解してデキストリン・麦芽糖などに変化させる働きを持っており、それによって整腸作用・胃の活性化などの働きが期待され、二日酔いにも効果があると言われています。

亜鉛は、人間が生きていくうえで必要な16種ミネラルのなかの1つです。生体では鉄分に次いで多い必須微量元素であり、およそ70kgの人間の身体に2.3gほどが存在しています。体内には100種類を超える酵素が存在しているのですが、それら酵素の活性に大きく関与しているのがこの亜鉛であり、特に酵素の構造形成・維持には欠かせないミネラルです。酵素は細胞の中から作り出されるタンパク質によって構成されており、生物が成長・活動・生殖していくうえで欠かすことができない物質です。身体が持つ機能の全てに必ず酵素が関わっており、酵素がなければそれらは機能することができません。酵素は1つの種類につき1つの働きしか持っておらず、たった1つでも失ってしまえば様々な障害が生じてしまい、結果として、生物は生きていくことができなくなってしまいます。酵素の生理的役割には、免疫機構の補助・創傷治癒・精子形成・味覚感知・胎発生・小児の成長・・・などが挙げられるのですが、これら全てに亜鉛は欠かすことができません。大量かつ高濃度の亜鉛は人体に有害なのですが、食物から摂取する程度の亜鉛は全く問題はなく、寧ろ必要不可欠なミネラルです。

鉄分は、赤血球の中に含まれているヘモグロビンが酸素を運搬する際に欠かすことができない成分です。身体が鉄分不足になると、酸素を運ぶヘモグロビンが正常に機能しなくなるため、運搬量が十分でなくなり、結果として、鉄欠乏性貧血を起こしてしまうことがあります。特に女性は月経がありますので、意識して鉄分を摂取しなければなりません。ただし、亜鉛と同じく、過剰な鉄分摂取は人体に有害となってしまいます。鉄原子が過酸物と反応してフリーラジカルを生成してしまいます。フリーラジカルというのは、身体の細胞などを錆び付かせ、それによって病気・老化を引き起こします。身体に害を及ぼす存在なわけですね。更に、様々な病気の要因にもなる活性酸素を発生させる原因にもなってしまいますし、更に、人間の身体には鉄分を排出するための効率的なメカニズムがないため、血中内の鉄分量が一定量を超えてしまうと、鉄の吸収をコントロールしている消化器官の細胞が破壊されてしまい、最悪、死に至ることもあります。そのため、これも亜鉛と同じく、適切な量を摂取する必要があるのです。

カルシウムは、人間が必要なミネラルの1つであり、人体を構成している成分でもあります。成人男性でおよそ1kgほどがカルシウムで占められているそうですから、その量は多いですよね。主に、骨・歯のなかにヒドロキシアパタイトという形で存在しており、骨・歯の形成の他、たんぱく質の代謝・ホルモンの分泌・血液の凝固・神経/筋肉の興奮の調節・・・などの作用に大きく関与しています。このカルシウムが不足してしまうと、くる病(乳幼児の骨格異常)・骨粗しょう症の原因になる他、神経の興奮を抑制する働きも低下してしまうため、イライラしやすくなってしまいますし、高血圧症・動脈硬化の原因にもなります。カルシウムというのは、尿・便として体外と一緒に排出されてしまうため、それを補う分も含め、厚生労働省では1日の摂取量を700mgとしています(骨粗しょう症予防には800mgを推奨)

カリウムは、人体に必要不可欠な電解質であり、脳・神経などにおいて神経伝達に関する重要な役割を担っています。人体では8番目~9番目に多く存在している有効成分だと言われ、化学的な性質としてはナトリウムと似ており、ナトリウムと共に体液を構成している主成分です。細胞内外液の浸透圧の維持・筋肉の活動促進・腎臓の老廃物の排泄補助・高血圧予防などの作用があり、生命活動を維持するために欠かすことのできない役割を持っています。

サポニンは、ステロイド・ステロイドアルカロイド・トリテルペンの配糖体であり、多くの植物に含まれている他、一部の棘皮動物(ヒトデ・なまこなど)にも含まれています。お茶・コーヒーを飲んだ時に苦味を感じることがあるかと思いますが、その苦味・えぐみ・渋みの原因となっているのが、このサポニンなんですね。一般的に漢方薬・生薬と呼ばれるものにもサポニンは多く含まれており、脂肪の代謝を促進させて肥満を予防・血中のコレステロールや中性脂肪を排出・過酸化脂質の抑制・肝機能の保護・・・等の作用を持っている他、界面活性作用があるため、水と油の両方に溶ける性質があり、血管内にできてしまう血栓を抑制する働きも期待できます。サポニンは、サポニンを含んでいる植物によって働きが異なっており、サポニンのなかには作用が強力なものもあり、その場合はしばしば経口毒性があるため、摂取した際に蕁麻疹などを起こしてしまうことがあるのですが、なたまめに含まれているサポニンにはそのような心配は不要です。

ポリフェノールは、分子内に複数のフェノール性ヒドロキシ基を持つ植物が作り出している色素の総称であり、ほとんどの植物に含まれていて、その種類は6,000種類以上に及ぶと言われています。勘違いしている方も少なくないと思うのですが、ポリフェノールと名前の成分があるのではなくて、この6,000種類ほどの成分をまとめてポリフェノールと呼んでいるんですね。植物が生きていくためには、光合成をする必要がありますが、紫外線は植物の細胞を傷つけ、DNAにダメージを与えてしまう危険な存在でもあります。人間であれば、紫外線対策をすることもできますが、植物の場合はそういうわけにもいきませんよね。そこで、植物が自分の身を紫外線から守るために作り出したのが、ポリフェノールであり、当然、その種類ごとに特徴・効果は異なっています。例えば、ブルーベリーの色素成分で、目の健康に特化した効果を持っているアントシアニン。日本茶・紅茶などの茶葉の苦味の元であり、強力な抗酸化作用を持っているカテキン。大豆に多く含まれており、女性ホルモンと似た作用があるため、女性特有の症状を予防・改善することができるイソフラボン・・・等が挙げられます。ちなみに、なたまめに含まれているポリフェノールには、アントシアニン・カテキン・イソフラボンの他、タンニン・ルチン・クロロゲン酸・エラグ酸・リグナン・クルクミン・クマリン・・・があります。

食物繊維は、人の消化酵素では消化されない難消化性成分であり、穀類・豆類・芋類・野菜・果物・海藻などに多く含まれています。食物繊維の種類は多くありますが、大きく、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2つに分けることができ、水溶性食物繊維は、水を吸収しやすい性質で、胃で膨らんで粘着性を出し、胃に留まる時間を延ばす働きがあります。それによって、糖分の吸収速度を遅くしたり、血糖値の急な上昇を抑えたり、コレステロールの減少を促すことができるんですね。一方の不溶性食物繊維は、水に溶けることはありませんが、水分を抱え込むため、繊維質の体積を増加させ便通を促すことが可能となります。また、消化器官の働きを活性化させ、脂肪分の吸収を阻害する働きも担っています。食物繊維の効果としては、脂質異常症予防・便秘予防・肥満予防・糖尿病予防・脂質代謝の調節により動脈硬化の予防・大腸癌の予防・腸内細菌によるビタミンB群の合成・食品中の含有毒性物質の排除促進・・・等が挙げられます。

そして、これらの有効成分は、なたまめを主原料とした健康茶「なたまめ茶」にも多く含まれているため、飲み続けることで、それぞれの有効成分を適量に毎日摂取することが可能となります。有効成分のなかには、過剰に摂取してしまうと健康を害してしまうものもあるため、そういった成分は適量を摂取しないといけないわけですが(もっとも余程のことがない限り、過剰摂取してしまうことはないのですが)、なたまめ茶を飲むことを習慣づけておくと、毎日の食事では不足しがちな成分を、無理なく適量摂取することができます。

なたまめ茶を飲む際の注意点

なたまめ茶を初めて飲む場合、早くその効果を得たくて、1日に多くのなたまめ茶を飲む方もいらっしゃるかと思いますが、「飲めば飲むだけ効果がある」というわけではありません。なたまめ茶の1日の摂取量に明確な決まりがあるわけではないのですが、しかし、1日500ml前後の摂取量が一般的と言われています。市販のなたまめ茶の場合、大抵のものが1パック(ティーバック1包)で500mlのなたまめ茶を作れるようになっているようですしね。そして、大切なのは、1日に多くの量を飲むことではなくて、継続して飲み続けることです。漢方薬としても使用されているなたまめですが、その漢方薬と同様に、即効性のあるものではありません。

また、一度に大量のなたまめ茶を摂取してしまうと、下痢などの副作用を招いてしまう可能性もあります。なたまめ茶で使用されているなたまめの品種は白なたまめが多いのですが、なかには赤なたまめを使用しているメーカーもあります。先ほど触れたように、なたまめに含まれている毒性は、加熱することで消えてしまうので、弱くとも毒性のある赤なたまめを使用していたとしても、きちんとした製法で作られたものであれば毒性に関する問題はないのですが、ただし、赤なたまめにはカナバニン・コンカナバリンAなどの有効成分が多く含まれています。これらは、カナバニンは排膿・抗炎症作用、コンカナバリンは抗腫瘍作用・・・がある有効成分ですが、その反面、下痢や吹き出物を発症させてしまう可能性もあるんですね。そのため、市販のなたまめ茶を利用する場合は、それぞれの用量用法を守って摂取するようにし、飲み続けている期間中、何かしら下痢・肌トラブルなどの体調不良を感じたら、なたまめ茶の摂取量を調整するなどしてください。最初は少量ずつから試してみるのも良いですよね。

なお、緑茶・紅茶・コーヒーにカフェインが含まれているように、なたまめ茶にもカフェインが含まれているのでは?と心配する方もいらっしゃるかと思います。カフェインそのものが悪い成分なわけではありませんが、興奮作用・利尿作用・胃酸分泌の促進・・・といった作用があり、大量に摂取しすぎると、血管の拡張されてしまうことで、頭痛・睡眠不足を引き起こす可能性があるため、小さなお子さんや、妊娠中・授乳中の方はカフェインの摂取を控える必要があります。しかし、なたまめ茶というのは、基本的にはノンカフェインとなっていますので、小さなお子さんでも年輩の方でも、そして妊娠中・授乳中の方でも安心して飲むことができます。ただ、市販のなたまめ茶の場合、カフェインを含む原料をブレンドして製造しているところもありますので、カフェインを摂取せずになたまめ茶を飲みたい場合は、事前に必ず確認するようにしてください。

市販のなたまめ茶を選ぶ場合は、価格・味だけに囚われずに、主原料となっているなたまめの産地がどこであるか。そして、安全性に配慮されて生産されている商品であるかどうか・・・をきちんと確認してから購入するようにしてください。・・・まぁ、これはなたまめ茶に限ったことではなく、全ての健康食品・食品等にも言えることですけどね。なたまめは、日本国内では鹿児島県が有名な産地となっていますし、他にも兵庫県などでも栽培されていますが、ほとんどのものが輸入品となっています。そして、その多くが中国産なんですよね。極端に、中国産=危険というわけではありませんが、しかし、残留農薬などの検査がをしっかり行われているかどうか・・・等を確認する必要はあります。加工処理がきちんと行われているかどうかが大切なので、その点は必ずチェックしてください。各メーカーの公式ホームページや口コミサイト・ランキングサイトなどを見て、主原料となっていrなたまめの品種・産地、そして生産方法・製造過程・・・などをしっかりとチェックしてから選ぶことが大切ですよ。

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